神戸は高円寺みたい

ようやく梅雨の晴れ間の日。朝、仕事行く前に洗濯物をどわっと干してから出勤する。午後、退勤後に一番に某所へ一年ぶりに電話して、「彷書月間」創刊号を押さえようとしたら、ひと足違いでそこにはないと言われる。ええっなんでや、と30円分押問答のようなアホな会話をして切る。ほんとに欲しい本ほど手に入らないのだよ。
一度、家に帰って昼食べて少し休憩してから遠出するには体が重く、自転車で近くの本屋へ。「エンタクシー」夏号が出てて、西東三鬼の「神戸」の舞台てことで神戸ルポがあるのに、神戸は高円寺みたいなところ。とある。ふーん、そうかなぁ。具体的にどこを歩いたと書いてないが三鬼の「神戸」は講談社文芸文庫で愛読した。トアロードホテル跡を訪ねてとあるけど、あの辺は全部戦災で焼かれて跡も何もないだろ。(実は私も探したのだ)ハイウエイレストランも余り口に合わなかったらしい。もっと地元のほんとに詳しい人が一緒なら、もちっとおいしい洋食食べれたかもしんないのに、東京から来るとこんなもんだろう。
エンタクシーは、いつも匿名コラムが一番好きで読む。ここに「東京タワー」を連載してて創刊号から読んでたのに、こんなにベストセラーなるとはまるで思わなかったなぁ。しかし前号からか大きくなったんだけど、余りサイズが大きいと持ち歩くのに不便なので、も一回り小さなサイズにして欲しい。
三鬼の『神戸』で、そのトアロードホテルの常宿してる客が面白い。あやしげな外国人や娼婦のお姉さんが勝手に部屋に入ってきて、勝手に話していくのに、おもらいのお姉さんが居て、話方はとても品が良くそっと「あの冷ご飯分けて頂けます?」と、ご飯をもらいにきたりする。寝言でだけ国の言葉が出て日本人じゃないとわかるお姉さんや、戦時中とは思えない小説。
でも、神戸は高円寺みたいだろか?高円寺行ったことあるけど、それは一部じゃありませんか。高円寺に海はないだろ。もっとちゃんと見に来てよ。