病院坂つづき

四月はじまりの、エイプリルフールの朝は晴れ。桜もそろそろ葉さくらに
これだと入学式の頃は散っているなー
サンボーホールで娘に欲しいと言われていた本、「病院坂の首くくりの家」
が後で開いてみると「下」だった。とがっくりしていた。が、その二日後
の日曜に家族が出かけてヒマになり駅前のビル内にあるブックワンを特に
期待もせずぶらぶらと本棚を見ていた。思わず百均棚の「よ」の段で目が
止まる。「上」がふつーに棚にある。それも「下」と揃いで。家から一番
近い本屋にあっけなくこうして見つかりましたのだ。その時の本を手にし
た時のうれしさ。久々に「あったー」「うぉー」て気分で、思わず拳を
握りしめる。まぁね、わかる人にはわかっていただけるだろう(多分)
四月馬鹿にならないよう、すぐ会計をしてルンルンで帰りましたよ。
我慢して病院行って親の介護して生きてるとこうしてご褒美がいただける
のだな。
ところで横溝正史の「病院坂の首くくりの家」は昭和53年に角川文庫から
出ている。作者かなり晩年で金田一耕助モノ最後になる。実は娘に揃って
から渡す前に読んだ。下では金田一探偵は60代等々力警部は70代だ。
最初の事件が昭和28年に起きているので、二十年の間がある。作者も
映画に出てるが、私は先に映画を観ていたので横溝さんが本人役で出てい
らっしゃるのを見てる。佐久間良子がなかなか言い味を出してて映画で
オチも知ってる。あの頃、角川が横溝小説を続々と再刊して映画化し
大当たりを出し続けた。春樹氏絶好調の頃だった。私は推理小説読まない
ので映画を観ても小説は読まなかったのが、今頃こうして縁あり読んでいる。
ついでに横溝正史は神戸生まれで川崎重工のある辺で生まれ薬局を親がして
よく店番をしていたそうだ。生誕地に鉄の輪状の碑があり除幕式にちと地元
つながりで行った。工場前の殺風景なささやかな場所に建っている。