やわらかい話

nae586252018-02-23

あれよあれよと二月も終わりが近い。今日は晴れて気持が良いな。
ずっと切ろうと思いながらヒマが無く行けなかった髪の毛をカットしに
元町へ行く。すっきりして心もすっきりした気分なり。春も近い。
みつばち古書で買った「やわらかい話」吉行淳之介は対談をセレクトした
本、これを買った棚は第三の新人ばかり並べていて個人的に好きだな。
この中で金子光晴の対談がなんとまぁと最初からびっくりさせるが、開高
健の中でも「寝台の舟」(ねだいのふね)を開高が絶賛してこれはアブラ
だと言う。アブラて何だろと思うが、どうも本当の実体験を元に小説にし
たと言うのらしい。「寝台の舟」は昭和33年に「文学界」に発表された
私はこの小説が一番だと最近読んで思う。それも今年、全集で読んだな。
「娼婦の部屋」も何故か今まで読んでなく今年読んでます。
しかし15の頃に「寝台の舟」を読んだのを再読して思いだした。
男娼の女役の男(ややこしいな)に気に入られた青年が或ることから体
の関係を一夜だけ持つことになる。今風に言うとゲイで、青年はゲイでは
無い。後は本を買ってください。後で吉行の代表作と言われていると何人も
評価していた。15才の少女が「寝台の舟」を読んでいまも覚えてるのも
なんだかねだ。思い出しついでに、吉行淳之介の小説を始めて読んだのは
中学の国語の教科書の中の「童謡」だろう。これもはっきり覚えている。
誰かの下手な挿絵で太った医者が痩せ細った少年をつまんで立たそうとする
細い線画も目の前で見えるように思いだせる。その時に名前を頭に焼きつけて
本屋で文庫を買いまくり読んだ(らしい)あれが第一期なら今は第二期淳之介
さんハマりだなぁ。昭和33年に「男と女の子」「娼婦の部屋」「寝台の舟」と
小説を書いている。どれも初期代表的な小説である。この年、売春防止法
施行され二丁目の赤線などが廃止された。二丁目は今はゲイタウンなのも面白いね。