姫路の夏

nae586252017-06-28

朝から、梅雨じめりの空で蒸し暑いですねー
雨が降ると家にいる時間が長くなるので本をよく読む。この前から何度目か
車谷長吉赤目四十八瀧心中未遂」を読むけど、やはり一番読ませる。この
小説で直木賞もとった。
車谷さんは姫路の出身で、慶応大学を卒業している。小説は殆どが、播州弁
書かれている。直木賞をとるまでかなり貧しい生活だったと、あちこちで書い
ている。姫路市から要望があり、それまで固辞していたのを故郷に戻り講演会
サイン会をしたのが15年前だったが、その時に某誌の取材を申し込んで姫路
でお会いしたのが初めて。夏の暑い日で、姫路駅に着いて大きな商店街を歩き
市民会館へ汗を流してたどり着いた。
今思えば、よく取材させてくれたよなと思うが先に居並ぶ大新聞社の記者が
順番に取材するのを待って、最後に呼ばれて名刺を出してインタビューしたが
作家に会うのも初めてだし取材するのも初めての、ど素人の私の質問に車谷さん
は真摯に答えてくれた。最後に送るので、住所を教えて欲しいと目の前まで行き
メモ紙を渡した時に、目が合った。その時に、なんだか通じた。と思った。
深い悲しみをもった目の人だった。
まぁそれから取材した某誌をお送りして、すぐ電話があって長い時間話してから
気に入ってもらえて何度も電話で話したり、姫路に来られる時に出ていって会った
二度目に姫路に来られた時は、映画の上映もあり監督も来ていて前もって話して
あり、市民会館の上階にある来賓室に連れていかれてコーヒーを出してもらい
恐縮したな。荒戸監督と会い映画のことを聞いたが、見かけより繊細な人らしい
感じの良い人だった。今は、みな亡くなってしまった。車谷さんのお母さんも
来られて一緒に映画を観たが、足が悪くて歩きにくそうだった。お母さんも
亡くなられた。あの頃は、よく姫路へ行ったなぁ。商店街にあった本屋も全部
消えていた。和田書店は夏でもクーラーが無く暑かったな。
今朝、水槽の蓮の花が咲いた。白い清楚な花だな。