借金取りの王子

日曜は朝から、一日どんよりした曇り。こんな日は普段痛いところがじんじん痛くなるようで
左肩から腕、手の指の先まで痛くて思わず涙ぐんでいた(痛みで)やはり観念して整体にいか
ねばならぬ。医者嫌いも自分でも困ったもんだ、今年は全然医者にかかってない。
その痛い左手と右手で寝ながら「借金取りの王子垣根涼介を読んだ。元々、ブックオフで手
にして古本市前の買いで買ったけど、読んでると案外と読みやすくてサラサラ読めるんだね。
時事ネタと言うのかその時の社会の世相みたいなのをよく調べている。借金取りの王子とは、
五年前ほどくさるほどあった消費者金融の店長がモデルの話で、他にもやはり前にどこへ行っても
いた保険のおばちゃんのいる大手生保の社員の話。リストラするための会社から、そんなバブル崩壊
後の大手会社へ派遣されてリストラをすすめる会社の社員が主人公なんだねー
その中の大手財閥系生保の課長がリストラ勧告される小説を読んでて、まさにこの通りの人が近所に
いたなぁと思いだした。東京の本社に最初は入り、転勤転勤で神戸に来てたまたま奥さんと仲良く
なり社宅によくお邪魔して話した。奥さんは杉並の出身だと自分で言ってたが、今は家はなく母親が
千葉のアパ―トで一人で住んでいた。社宅だけど広々したリビングが15畳はある3LDKのマンション
だし有名な会社だし優雅に暮らしてるのかなと思ってたが、そうでもなく結構切りつめて冷暖房も
余り入れずで意外だったな。
課長のご主人はカードで相当借金があり百万単位で請求が来て仕方なく奥さんが払ったり、休日は
ゴルフへ行ってたがその費用が自腹で大変だとかだった。年収は一千万ぐらいあった。
その会社も小説とほぼ同じようにリストラ首切りを大量にして管理職の五十台前後の高給とりはほぼ
対象になり、その家もなったらしい。もう大手生保の月の保険料が二万とか払う人が解約したり入ら
なくなり、安い外資系保険がどわっと広まったせいだ。保険の外交のおばさんも見かけなくなった
もんね。奥さんのいた社宅はつぶされて今はどこにいるのか知らない。会社も名前が変わっている。
東京の杉並にまた帰りたいと言ってたけど、連絡先もわからない。言いたくないのかも。