風の歌

nae586252016-08-08

8月8日ゾロ目の日、世間はリオオリンピックと高校野球で一杯らしくテレビは、そればかり。
しかし今日は、知る人は知っている日です。なにの日? だから「風の歌を聴け」の僕と鼠が
出会った日なんだねーとは言っても偶然、何回目かで読みはじめたので知ったんだけど。
何度読んでも懐かしい気分にさせる小説だが、そのひとつに山手のプールで泳ぐところ。芦屋の
山手のプールで、夏に数えきれないほど行ったな。プールにあるデッキチェアにもたれて夏の空
をぼんやり眺めていたり、屋上の売店から見える海と下界の街の眺めたのとか鮮明に今でも覚え
ている。それに外国人も多かった。子どもの頃はプール以外に行くところも無かった。あの
プールは今でもある。交通の便が不便だし駐車場も少ないので地元の人ぐらいしか行かないらしい。
六甲山の中腹にあったので、夕方になると山特有の影が濃くなるような感じがして木の匂いがする。
蝉がシクシクシクと鳴いて、ああもう家に帰ろうとプールをあがり服を着て歩いて坂を下りて家に
帰った。前にプールへ行ったのは、何年前だったかなぁ
風の歌を聴け」が「群像」新人賞をとり発表されたのが1979年で、当時、私は21歳だったな。
僕と同じ年で、雑誌に掲載されたのを書店で読んでこれはと思い買って、すぐ読んだ。こんな小説が
出てくる日が来たんだと、なんだかよくわからない位感銘した。すこし身近な感があったんだね。
当時は、元町でOLしていて体調を崩し毎日仕事へ行くのがしんどくて、先に希望も無く暗かった。
そんな時に見えた小さな灯りみたいな感じだった。それから映画も神戸で封切を観た。単行本も買った。
あれから、30年経って芦屋の美術館で古本市がありその頃、おそらく今までで一番経済的苦境に
あって毎日金策で暗かった時に、その当時の「群像」を、これ買い。と見せられて手に乗せられたのに
千円のお金が出せずに買えなかった。79年に買った「群像」は紛失してたし、すごく欲しかったのに。
壁の隅で、ずっと読んでそっと元に戻した。あの時に買えなかった気持は忘れない。美術館の外に
あったテーブルとイスに座り持参した、おにぎりを食べたなー21歳の時に初めて手にした「群像」が
もしかしたら30年経って、めぐり逢ったのかも知れないね。単行本も友人に貸して返って来ない。

昨日は家族皆で、ロイヤルホストへ夕食を食べに行った。夜にこうして外に食べにいくのは珍しい
娘K子がパンケーキと山田錦の酒を冷で注文して、あんたそれ一緒に食べるのんと呆れたなー
余りいないだろうねぇ。