梅雨のあとさき

nae586252016-06-08

昨日は、梅雨らしい雨の一日だった。今日は晴れてやや蒸し暑い日。あじさいの花がピークと
咲いていた。雨に濡れると、あじさいの花の色が変わるのを見ていた。六月の花だね。
この頃はまるで書かなくなっていると思うけど、私の通っていた中学校の卒業生でおそらく
一番の有名人、村上春樹さんはまだ三十代頃は「村上朝日堂」とかに芦屋の中学時代のこと
をエッセイに書いている。デビュー作の「風の歌を聴け」には猿のいる公園が出てくるが、
この公園は地元の子どもしか遊ばない公園で、なので初めて読んだ時は、すごくびっくりした。
図書館のすぐ南側にある猿しかいないパッとしない公園だった。小説でも出てくる海辺は懐かし
い、今は埋め立てされて殺風景な団地群しか見えない。この埋め立て地の団地(住人はマンション
と言う)を墓場と呼んだのも村上春樹だ。知らない人には、わからないかもだけどその気持は
すごくわかる。だから、今も昔と変わらずあるのは芦屋川だけだ。芦屋川も「羊をめぐる冒険
の最後の方に出てくる。
私は19歳の時に神戸市に引越してきた。近くだけど神戸はまるで違って、それまでいつも誰か
に見られているような場所から、誰も見ない気にしない気楽な感じがすごく楽だったな。まぁ
市場でコロッケを買って立ち食いしても誰も白い目で見ないような感じだね。その時に二度と
あの町には戻って住みたくない。と思った。狭い窮屈な箱庭から外へ出たような気分に近い。
でもあの海はなつかしい。あそこで昔、泳いだんだよ。