ちかえもん

木曜日の夜は、時代劇のテレビをしている某局で「ちかえもん」を見る。あら最終回だったが
最後に、やっとスランプから「曽根崎心中」を一気に書き上げた近松はんの戯作を人形浄瑠璃
にした初日に本物のお初、とくべえの人形を黒子がまわしているのがやっぱ見応えがあるなぁ。
江戸時代の上方(大阪)の浄瑠璃をやる小屋も再現していて興味深い。当時は舞台と左右の桟敷
だけ屋根があり、目の前は地べたにゴザを敷いて並んでベタに座っている。雨が降ったら休みか
浄瑠璃語りと三味線弾き、人形使いと本物の人形が心中行きを演じて最後もテレビ版どんでん
返しもあり面白かった。今度、大阪へ本物のを観にいきたくなったなー
偶然だけど、先日舞台になったお初天神へ古本市の帰りに行った。全然、テレビのことは思わず
歩いていて出会った感じだったけど、ここで心中をした場所あたりらしい。お参りしていて、
おばちゃん三人組が横をすり抜けていきながら「お賽銭出すのがイヤやからお参りせえへん」と
大きな声で話していたのを思いだす。それが大阪のおばちゃんなんだっせ、無駄なお金は十円でも
勿体ないらしい。この神社は、それほど大きくないが、最初に来た時は四月はじめで桜が満開だった
のを覚えていて、それも夜桜で不思議な趣があった。お初さんのおぼろげな影のようなのが桜の花の
中にあるようで、大阪にもこんな場所があるんやなぁと思ったが、あれは多分夜だったからだろね。
まだ大学生の時に、大阪の国立文楽劇場へ行って人形浄瑠璃を観たことがあるが、正直何を言ってる
のか余りわからなかった。
今日は、ぐっと春らしい日よりで日中は15度はあるあたたかい一日だった。色川武大「なつかしい
芸人たち」を読んでいると電話が鳴り、めんどくさい話をしてから三月に行きたい歌舞伎があって
券があるかと聞いたら、まだわからんと言われる。猿之助が「ワンピース」のルフィをしたのが
なかなか斬新そうざんす(うわっ)、歌舞伎は上方でしたのもあんな地べたにゴザを敷いていた
のかなぁ。古い芝居小屋は、今でも畳じきの観客席で座布団が並べてあり座ってみるとこがある。
今なら、も少し語りことばもわかる気がするなー