伊丹先生の本

十月も半ば、ようやく長袖のシャツを着ても暑くない。秋らしい晴れの日。
天神さんで買った本が届いたので、箱を開けて本を出してみていたら百均の本が、かなり砂ぼこりか
ざらっとしていた。とりあえずノートに署名を全部記入したりしていたら次の日に目が赤く腫れて
かゆい。あらま、また花粉症のようなアレルギーが出てしまった。本は野外の平台にあったし花粉も
ついていたらしい。アレルギー用の目薬をさして、きれいなふきんを水で洗ったのを固くしぼり本を
一冊づつ拭いてきれいにしたら、アレルギーはなんとか治まったな。秋も花粉症になるんですよ。
届いた本の中に、箱入りのきれいな句集「人中」があった。伊丹三樹彦先生の句集で、中を開くと
サインがあるし、宛名まで書いてあるので「やれやれ」と言う気分になる。できるなら、宛名入りの
サイン本を尊敬する先生の本で見つけたくないねー
なんだか、すみません。とあやまっていた。伊丹先生とは、神戸のよく通っていたカフェで何度も
お会いして、とても気さくで感じの良い俳句の先生だった。ご病気で倒れられたあとも、手紙を差し上げ
たら、震える字で返事をいただいた。俳句の先生は、私も句作をしているので神戸周辺の人は何人も知って
いるけど、一番好きな方だったな。えらぶったところが全然無いんだね。戦後の日野草城の主宰の「青玄」
を受け継ぎ、どちらかと言えばアウトロー的な新興俳句だった。句集のきちんとしたのを持っていなかった
ので一冊欲しかったのが、手に入ったんだね。先生は、お元気だろうか
伊丹先生は若い頃に古書店「伊丹文庫」をしていたが、私はまだ子どもだったので行ったことは無い。
 妹送る場末の月日重ねけり    三樹彦