ハレの式

明日で八月も終わり、週末土曜は月末と同じなのでその仕事に忙しい。しかし忙しい時ほどうるさい
用事も急にある。お昼を食べて休けいと寝ながら本を読んでウトウトしていたら、また電話が鳴る。
今度は慌てて出たら、母親だった。てっきり義兄が先日、娘さんの結婚式に参列するのに家に来て
御車代の大金を貰ったりしたので、急遽私が真珠のネックレスとイヤリングを用意してお祝いに贈った
のでお礼の電話だと思ったので普段なら出ない体制なのに慌てて飛び起きたのにねー
しかしその真珠のアクセサリも一応、私のは全て母親が買ったのなので贈ると言ったらイヤ、新しい物
にしなはれ。と勝手に真珠屋へ行って買ってお祝い用に箱入りで包装までして用意してくれたのを郵便で
送っただけだし。お祝儀は、あんたの名でし。とお金も出さなかった。どうもそれで久々の慶事に勢いが
ついたらしく、電話で今度は式に着ていく礼服の生地が丁度あったから仕立てつくるので採寸しに来い。
とかで、眠たいので機嫌よろしくない声で返事していた私も、びっくりした。面倒だし始めは要らないと
断ったがしつこく言うしネックレスの借りもあるので、やれやれと自転車に乗って蒸し暑い午後に実家へ
行く。なんだか嬉しそうな母親が礼服の生地がどうのと見せてあんたぐらい太いと既成品は合わへんとか
好きなことを言われ、父親は完ぺきに呆れて何も口を出さないし。
それで前からひとつ欲しかった金のアクセサリーを礼服に真珠だけだと葬式みたいだし、あったら貸して
と思いついて言ってみる。すると金の大中小のネックレスとプラチナの大中のがおもちゃみたいに団子状態
なままで持ってくる。勿論本物ばかりで、ほんまに豚に・・・と思いつつ金の中のをその場で首につけて
出た。礼服とネックレスだけでもかなり高いやろけど、全部母親が言い出したので金額を聞くなんて野暮は
しまへん。子どもの頃から、始末してケチなのに自分が「その気」になるとポンと現金で出して買う。
冠婚葬祭がらみは特にそうだ。これって関西の昔風のやり方なんかなとも思う。
疲れたのですぐ近くにある駅前のブックオフ系本屋で本をウロウロ見てまわり二年前の本の雑誌を五十円で
買った。でも礼服仕立てつくらなくても生協の一万円の吊で私は良いから差額を呉れた方がうれしいのにねー