あれこれ思ふことあり

朝は快晴なり。スカッと晴れた一日だった。
しかし今日は、あの日なので当然テレビは東日本方面の特集ばかり。こんなこと言うと、あからさまに文句言う人もいるんだろが、なるべく見ないようにして過ごした。昼間も、今度の四月にある芦屋川一箱古本市用の本を出して埃を払い、パラパラと出てきた本をコタツに積んでいると、また読み出して時間が過ぎるという、いつものパターンだが、なんだかこの前の蔵書を大量に出して売り残った本も買取してもらい本が減ったと思うものの、それより多い「売らない本」が本棚にほぼ満杯にびしっと並んでいるのを見て、断舎利じゃないがなんか自分がせこい本大事な、みみちい人間に思え溜め込んだと言うか、勝手に溜まった紙類ほかガバッと処分したい衝動に駆られる。
一度は、震災の時に家にあった蔵書もファイルも手紙も預金通帳も財布も健康保険証も結婚式の写真も全部、土に瓦礫と共に埋まって無くなったのだし。本どころか人間が助かっただけ命拾いしただけ大変な幸運だったのだから。
私の家は震災でメチャクチャに壊れて全壊したが、窓から這い出して人だけは何とか助かった。三年前の午後二時すぎ、家でテレビを見ていると大きな地震がきて大きな津波があとにまるでドラマのように襲い家や人を流しているのを、ほぼ生中継で見て呆然とした。それからそのシーンを繰り返し見る度に、パニックになりそうで見ないようになったし、今も見れない。地震の番組は見ない。見れない。あの恐さを知っているから。同じ思いをしたから。
震災のあと、目の前の地面に「あそこにお母さんがいる」と言った女の子の姿をテレビで放送してた時に、そうやてと笑っていた大阪のおばさんには絶対にわからないだろけど、私には女の子の気持がわかる。必死に泣くのを我慢して歯ぎしりしそうな心で泣いていたのを、地震を知らない人にはわかることは無いんだよ。