最後のお仕事

四月もお終いの30日、朝から雨が降る。連休の中休み(?)のカレンダーでは平日になり月末だし銀行や役所は忙しい。古本屋バイトも今日で終わり。と始めもいきなり言われたが終わりもいきなり言われる。まぁ最初から入院された人が復帰するまで、とりあえず来てくれないかと頼まれたものでそろそろかなと思っていたから。それでもようやく慣れて結構好きなバイトだったので思うものもあったけど。
別に何も言わず普通にバイトして終わりと思ってたのが同僚で同い年で仲良くなったバイト仲間のAさんだけメールで知らせたら、すごく心配してくれて何度もメールが来て今日、会いましょうと言われ、いや最後だからお別れの会とかそんなの困るしあっさり報告だけしてもう会うことも無いと勝手に思っていたのが好意をむげにするのも悪い気がして、結局それならバイト終わりに会うことになる。仕事はなんてことなく普段とおりにして入院して戻ってきたI堂さんが来て、僕の代わりに助けてくれて感謝してる。と頭を下げられあらまぁとなんだかこちらもお礼の積もりで吉行淳之介『躁鬱対談』をI堂の本を自腹で買った。
終わって近くの百均でAさんと待ち合わせし二人で4時から開いている居酒屋で、お疲れさまでしたとビール飲みバイト同士でしか言えない内輪の不満やあれこれをしゃべりまくりAさんも近いうちに辞めると言い他にもそれぞれの家の高齢の親のこととか三時間ほど話すと、胸につかえていたものが吐きだされたようですっきりした。おまけに会計をしようとするとAさんが出て全部払い、送別会やからとお金をとってくれない。元町駅で別れる時に五月に旅行から帰ってきたら、また会おうと約束し判れる。
たった半年ほどのバイトで同じだっただけでなんだか良い人やなぁと、半分会わずに二度と会うことも無いと勝手に切ろうとしていたのに、Aさんと仲良くなれただけでも良かった。多くない給料で独身で生活しているのに、おごってくれて後で少しジンと来るものがあった。ありがとう、かえってきたらメールするから又、ビール飲みたいね