父帰る

nae586252013-02-16

今週末、また寒波到来で寒いし雪も降っている。オーバーを洗わなくてよかった。
ちょい久しぶりに西宮ブックオフへ行ったら珍しく欲しい本が多くこれは買取が多く棚の本が変わっているのかな、と推測する。しかしレジ前では余り売れてる風ではないみたいでマンガ立ち読みが一番多い。文庫など5冊買い収穫あったなと機嫌よく帰った。私は半額セールの時だけとか狙って来ること無いんだが、かえってそんな日の方が良い本が買われて残りもんばかりで買いたい本が無いような気がするかな。
その買った本のひとつ、『父帰る菊池寛旺文社文庫)珍しいものでもないけど、読んでなかったのでコタツで読んだら戯曲で、劇もちゃんと見たことなく始めてのせいもあり、なんだか泣けてしまった。きちんとした家柄の四国の海辺の家で20年前に幼い子どもと妻を捨てて借金も残したまま、酒と女に遊んで勝手に家出した父が、年老いていきなり帰ってくる。それを母が子どもと海に飛び込んで心中した時から、父はいないと兄の方の息子が今まで小学校の教科書も買えず、昼飯も抜いて貧乏に耐えながら生活してやっと今、まともな暮らしができているこの家に父親はいない。と言う筋で書いてしまえばそれだけだが、なんだかグッときたな。今でもいそうなんだよ、こんなロクでもない親。昭和40年初版、年譜で菊池寛氏の自伝に近いようなのらしい。高松の武家の出だが貧乏で、やはり教科書が買えず苦労したとあって意外な気がした。私が知っているのは大出版社の社長他の役員を幾つをされている重鎮だから。
この劇を猿之助(当時、今の遠翁の父親)が兄を初演し観衆を泣かせた。中車が弟をした。なんか因縁つうか遠翁と中車の父帰るだよ。
夜はブの目の前にあるスーパーで、生かつおと生イカを買ったので、刺身にしてイカはちくわ、芽かぶの天ぷらを揚げて食べると、サクサクしておいしかった〜