オダサク

一月十日は、えべっさん今年も福男のバカバカしいほど熱い走りでしたねぇ。と別に、織田作之助の命日と朝日新聞夕刊でシリーズで記事になっているのを読んで知る。オダサクの呼び名で、長い間大阪の作家として親しまれておりま。代表作は『夫婦善哉』ほか。
実は私はオダサクの小説は読んでおらず三年ほど前に始めて読んで先入観で、おばはんたよりにしてまっせな話だと思ってたが意外に面白くて好きになった。この小説の中に、二つ井戸の天牛と出てくるのが今もある天牛書店の最初の店で地名がどの辺かとか、その頃丁度百年なってた天牛書店の記念本を作ってて店長に頼まれて調べたことがある。
天牛書店は、最初は露天で天牛新一郎さんが本を並べて売ったのから難波の二つ井戸、日本橋からアメリカ村と経て天神橋筋と江坂に本店がある大阪一大きくて有名になった古書店だ。二つ井戸の店は戦災で丸焼けになる前までオダサクは贔屓にして良い客だったとか。兵役にいかなかったのは結核だったから。「夫婦善哉」で売れっ子作家になって美人の奥さんに家に毎日客を連れてきて、料理や酒をださせ、その後に小説を書いた原稿の漢字を調べて書かせたり清書させ明け方までして寝る間なく朝は家の仕事していた奥さんが体を壊して30過ぎに亡くなった後、自分で何もできないオダサクもすぐ後に亡くなる。それが今日だった。しかし嫁はんを眠るヒマも無いほどこき使って亡くなってから悪かったと泣いたそうだが、生きてる間に幸せにしてやれよ。ほんと小説そのままだよね。
オダサクは早死にだったが、天牛のおやじさんは長生きした。浄瑠璃がすきで店の二階でも浄瑠璃かたりの会をしていたそう。そんなこと書いてるとふらっと大阪いきたいねー