鎮魂歌

nae586252012-01-17

朝は晴天、冬の空はきれいに青い。午前中はどこにも行かず家の中でじっと座っていたら正午と共に、一斉にサイレンの音が鳴り響いた。じっとうつむいて一分間の長い黙祷をしていた。
それからやっと動きはじめ、お昼に娘と連れたってたまに行くセルフのうどん店でカツ丼をひとつのテーブルに向かい合ってボソボソと食べる。しかしなんと言うことなんだろう、午後1時17分にテレビから地震速報のテロップが流れた。1月17日の1時17分に地震が今日、起きたのだ。まるで何かを啓示しているような、17年目の今日は一日、静かな日だった。
東北では震災バブルが起きはじめているとか、そうなんだ阪神の時も震災バブルがあった。けれど家の建設ラッシュが収まったあと、あっと言う間に落ち目になった人も数知れずいた。一時的に大儲けした人が今はそんな風になっている。
まぁ悪い例ばかり出してしまうけど、仲良くしていた近所の喫茶店Kの夫婦は、ご主人は会社勤めでママが小さな喫茶店を何年も働いて貯金して始めて、とてもよく働いていたけど震災が来て自宅が全壊判定が出たものの住めたしけがもしなかった。罹災証明で安い利息のローンが借りやすく目一杯借りて、震災直後にすぐ店を再開して復興の人で毎日客で溢れて、売り切れ状態が連日続きすごく儲かった。それで主人は会社をやめ店もパートに任せ気味になり、夫婦でパチンコで大金を使ったり豪遊したりしてたけど、何年かして復興景気は終わり、気がつくと店は客が来ないし遊びグセはすぐやめられないし結局、閉店して家もローンが払えなくなり出ていって今は、どこにいるかわからない。同じような人は近所に沢山いる。
震災のあとも本当にいろんな事がある。17年経ってなんだか節目がきたような気がしている。