ライ麦畑でなくなった

ひっそりと、しかし誰もが知っている『ライ麦畑でつかまえて』の作者、サリンジャー氏が亡くなったのを新聞の夕刊で知る。えっ。と思うものあってしばらくぼんやりと記事を眺める。アメリカの田舎にマスコミを嫌い高い塀に囲まれた家で暮らしている、いわゆる頑固じじいの超がつく人かもだが50年以上そうして生きてきて91歳の長生きは、しんどかったのではないのだろか。『ライ麦』は、すごいロングセラーだし2003年には村上春樹が翻訳して売れたから今でもサリンジャーには印税が入ってくるんだろう。何もしなくても大金が入ってくるのも或る意味不幸じゃないかな。お金がなかったら塀の中でおられないし外に嫌でも出て仕事に行かなければ生きていけないものね。
なんとなくだけど、村上春樹サリンジャーみたいに段々なるんじゃないかと思った。
もひとつずっと私生活や写真を出すのを嫌ったサリンジャーの晩年に若い彼女と外で笑っている写真とやや暴露的に結婚、離婚歴や子どものことを記事にしたディスポも読んだけど、これなど生きてたら即差し止めだろう。最後は看護士の女性と結婚していたとか。案外ロリコンだった?しかし余りにも秘密主義にしすぎると知りたくなるのが世の常で、売れすぎてしまった神経のナイーブな小説家には、うんざりすることが多すぎて何もかも信じられなくなったのだろうか。私は実は『ライ麦』は全部読めなかったのだな、『ナイン・ストーリーズ』は読んだ。半世紀ものひきこもりに終止符を打てて、よかったね。なんて言うと天から「うるさい!」と怒られそうだ。