心が雨漏りする日には

いよいよ今年もあと三日です。ほんとに色々と最後までひどいニュースばかりな年の瀬です。仕事は明日まであり、それから来年4日までお休み。でもね、なんか全然ウキウキしないのだ今年はね。
中島らも『心が雨漏りする日には』(青春文庫)を元町の某古書店で買ったのを読む。この本が出た時は、らもさんはあの世に行っていた。こうして後半の人生をかいま見るような文を読んでいると、うつ病と酒とクスリに浸かっている。そうなのに、ダメ人間に見えない。いつも仕事はバリバリにしているんだよね。どんなに無茶しても、中島らもだもの。と思ってしまうとこがあった。
本を読んでいると、最後に神戸の居酒屋の階段で落ちたのもクスリでふらつきや倒れやすくなっていたのがわかるんだな。酒飲んで、うつ病その他のクスリも多量に飲んで目はかすんで足元はふらついて階段から落ちる。ふつーなら、だらしないアル中おやじなんだろうけど、らもさんだと違っている。だって作家なんだものそこが違うのだ。尼崎出身の今はスーツ着て識者ぶったこと話してるヤローもともと物まねの芸人だったのが、らもさんは自分達の精神的支柱だった。とどこかに書いたが、そんなとこはあったと思う。なら、今は誰がそうなんだろ。誰もいない。スーツ着てソツなくしゃべる世渡りのうまい人間ばっかりだ。
とっとと年が終わり、明るい新年に知らん間になってると良いだろうにね。