謎のホームレス歌人

nae586252009-06-03

仕事場の額あじさいが咲きはじめている。思わぬ見つけものをした気分だな。
今、或る新聞の短歌投稿欄にホームレスの公田耕一さんの毎週投稿される短歌がその分野でショッキングなニュースになっているのを知る。今まで朝日読んでるのに、高橋源ちゃんの連載読むまで知らなかった。気になって月曜の新聞をひっぱり出して捜してみると、ほんとだ。「ホームレス」と住所記載になっているのは、多分この長い短歌欄でも初めてだろう。「林芙美子を二千回生き華やげど「放浪記」とは寂しき言葉」 この歌がホームレスの人が詠んだのがなんだか実感がある。高橋源ちゃんの父も若い頃、山谷でホームレスだったと、さりげなく告白している。
短歌の世界も年寄りが多く、割合裕福でしがらみ弟子制度みたいな結社も多いんだが、詩歌の原点を教えてくれてるんじゃないのかと思う。まとまれば歌集を朝日は出してあげてください。
明治半ばに石川啄木が東京朝日で仕事をしていた時、間借りしていた部屋代もずっと払えず借金だらけで普通なら落ち込んで死にたくなるような日に自然に歌がでてきた。栄養も足りず結核で亡くなる前にしていた仕事は朝日歌壇の選者だった。なんだか偶然とは思えません。

朝から雨がふったりやんだり。なんだか出鼻をくじかれてぐずぐずしていたが、ムラムラと本屋に行きたくなり、ふらふらと夕方近くに電車に乗っていた。徘徊おばさんかよ。
しかし今日は、呼ばれるよーに行った収穫はある。新刊書店の海文堂で山本善行棚ができていたな。中央あたりの細長い棚の上半分が善行棚で下半分がトンカ書店棚になっていた。この二人がアンバランスで似てるようで全然違うという古書を出していてなかなか楽しい。数は少ないが見て飽きません。しかし、ここの本屋そのうち半分ほど古本売りだすんじゃないの。もうすぐまた二階で古本市もやるし、今度の高橋さんのトークイベントは他にも仲間の人が多くいるし行こうと思う。この頃、バタバタして古本屋めぐりも余りしてないなぁ。善行棚で欲しいのを見つけたので一冊買い、「ちくま」を一部もらう。たった3日本屋に来れなかっただけなのに、すごく新鮮だ。家の近くには本屋が少ないし電車に乗らないと、まともに本があるところがないので疲れてる時は、じゃまくさくなるんだがやっぱり出ないと本にはめぐり会えない。買った本は、結構捜してて見つけられなかったのだったのでうれしい。すぐ元町の喫茶店で出して読む。水曜は古本屋は休みが多く、これはまた別の日に行くぞ。