一杯飲み屋の怪人

新型インフルは、東京にも現れついに上京した。神戸はマスクはどこにも無く、大型薬局には会社で使うために朝から社員が買いに開店前から並ぶ異常事態。道を歩いていると、若い人より年寄りにマスク姿が多い。とにかく、早く去ってほしいものです。
本当は、今日は四国から友人が神戸に来て会う日だったがインフルエンザの為中止になり時間があいた。夕方、酒屋の友人といつもの居酒屋で待ち合わせてビールでインフル退治という乾杯。店長は顔馴染で、お客さん少ないでしょと聞くと、かえって家で休校で退屈してる家族連れなどいつもより多いと笑顔で言う。へぇ他にも新古書(古本市場)店も子どもで満員らしいし、こんな時に売れる店はあるんだ。こちらも出ていけないしマスクはめんどくさいし友人と二時間ほど、あれこれ食べて飲んで話すと良い気分になった。
そこで、最近見かけないが前によく見かけた一人で端の席に開店と同じに来て飲んでいた老人の男性の話になったが、この爺さんと満員の時に相席になったが、いつも一人でポケットに文庫本をいれて酒をちびちび飲みながら読んで誰ともしゃべらない。毎日タクシーで乗りつけて、帰る時はタクシーを呼んで帰る。友人が、あの爺さんは芦屋の方の山手の豪邸に住んでいて前は新聞社の部長だったと言う。ほんまかいなと思うが、そう言われたらそうかな。一杯飲み屋で本を読んでる人など見ることないし、何の本かトイレに立った時に覗いたこともあるが、大沢在昌だったような気がする。ひねくれたとこがあり、話しないのにぎょろっと見たりする。
お前らと話が合うかい、てな感じもしたが年取ってひとりでタクシーで来て一杯飲み屋で本を読む孤独なブンヤ老人はここしか来るところがなかったみたいだ。飲み屋には、いろんな人がいるもんだ。