酒屋へ三里 

nae586252009-05-08

ようやく雨があがった。菜種梅雨ぽい雨が続いていて、傘をさすのが嫌いなので雨の日は出かけるのが、うっとおしくなる。しかし今日は、そうも言ってらんない野暮な仕事もあるので出て、夕方に六甲の口笛文庫へ行った。この辺りは、もう山の裾な坂道で霧が出た日は、そろそろと半透明な霧が見える。六甲山は、霧がよく出るので、朝、雨のふりそうな日に山を見ると白く煙ったように霧がかぶっている。
口笛文庫へ入ると、尾内さんがレジ台にも本の山を作って奥に座っていた。店内は、前よりかすごく本が増えてあちこちに墓標のように本の山が立ってなかなかな眺めだ。しかし増えすぎじゃないのかな?と少し話していたら、思わず慶事を聞いてよろこぶ。しばし、本よりもそっちの話になってしまう。うれしいことは聞くのもうれしい。ここで『酒屋で三里豆腐屋へ二里』安岡章太郎(福武文庫)を目についたので買う。装丁の字がインパクトあるなと思ったら、田村義也だ。
帰りに、いつものカフェで休憩し買物をして帰るが、この本が思わぬ話ではじまっている。
安岡章太郎は、65歳から突然メニエール氏病になり目まいと嘔吐に苦しめられているが、この症状は私にはすごくわかる。私も同じぐらい激しい目まいで倒れて、天井がぐるぐる回って嘔吐し死ぬんじゃないかと思ったことが7年前に起こり、救急で病院に行くとメニエール氏病だと診断された。これが、やっかいな治らないし出ない時は大人しいのに、突然明け方寝てる時にぐるぐる回転して目まいがしたりすごく始末が悪い病気。なので、本文の様子も誇張でなくそのとおりだとわかるのだ。
私は、余りにひどいと点滴で止めて安静にして後は特効薬を飲んで治すんだが、その頃は、そんなのなかったのか病院嫌いみたいだし行かずに目まいに苦しんでいたのかも知んない。経験者なのでわかるが、メニエール氏病は自力では治らない。病院で専門の薬を処方されないと、幾ら寝てても全然マシにならないのだ。
今も実は最近、目まいが起きたんだけど軽いのですぐ薬を飲んだ。ちょっと顔を下に向けるだけで、目まいがする。春から夏、雨から晴れになる気候の変化にこのメニエールさんはとても敏感で、目まいで知らせてくる。困ったもんだよ、ほんと。