早稲田文学

今日も秋晴れの良いお天気だな。「本の旅人」をいつもゲットする元町の本屋で捜したけど時遅しか見当たらず。ここの榎本さんの連載マンガを少し読みたかったのにね。はずかしながら、全く知らなかった人だけど「えの素」を出している。そういや前に古本屋のマンガを書いていたIさんも知らなかった。初回に黒木書店が出てきてびっくりしたな。あれもPR誌に短い間連載していたなぁ。
目あての「本の旅人」はなかったが、「早稲田文学」14号と「ちくま」と「波」10月号を手に入れた。「早稲田文学」が内田春菊川上未映子の対談ですごい。それより中島らもの「「近くて遠い町」を町田康が傑作とし選んで全文掲載しているのが、すごく良い。やっぱ選ぶのが違うつうか、これこれ。と思うようなのだ。亡くなってから何年も経つけど、一番の追悼だと思う。近くて遠い町は、らもさんの生まれた尼崎のことで、私も父親が尼崎で勤めていたり親戚がいたりしてよく行った町だ。書いてある通りで、駅を降りるとその頃は工場(こうば)の多い壁もどこも煤けていた。その煤けた工場やアパートの合間に田んぼが結構あった。尼崎の人は、みんな尼崎のことを「あま」と縮めて呼ぶ。私も今でも、そう呼ぶ。その辺でよそもんか地のもんか瞬時に判別できる便利な呼び方だろう(多分)尼のおばちゃんの家は子どもの頃はよく遊びに言ってたが信仰深い人で、よく坊さんを呼んで家の座敷で命日の法要をしていたが坊さんの座る横にテープレコーダーを置いてお経を唱えるのを録音し、どこかの家で流すのだ。と話していた。お経の出張だと思ったもんな。大きな家に住んでたけど、10年以上前に亡くなってからは一度も行っていない。生きている時に車で送っていった日が最後だったなぁ。今は武庫川へちょいちょい出かけていく、武庫川も尼崎だけんど川が広くて水みずしいので駅に降りると、しばらく川を見とれている。街の草へ古本あれこれ見て、コーヒーを飲んで帰るんで、なんとなく古本ピクニック日和みたいな感じがする。
いつも「アルハンブラ」という喫茶店に行くが、ここにいつだったか大声で叫び声みたいな声をあげて寝巻きにエプロンつけて裸足にスリッパ姿の大きなおばちゃんがドアをバーンと開けて入ってきて、大声でしゃべりながらアイスコーヒーを飲んでまたすぐ出て行ったことがあり、お客さんも店の人も全然普通だったので、その時ここは「あま」なんやなぁと感心した。
週末は、忙しい。体が二つ欲しいぐらいだよ。本屋で「彷書月刊」があった、田村さんが「ほんの手帖」を紹介してくれていてうれしかった。湯川さんが亡くなったことを、ほん手ではじめて知ったと書いてあり、少しは役に立った気がした。ネット見ない人は知らない人も多いかもしんない。湯川さんだってネットどころかパソコンもなかったものね。