昭和三十年代の匂い

最近いろいろからみで『蟹工船』からロスジェネ世代のことを調べたり考える。あれこれ本も出てるけど、なんだか上からモノを見て物言ってるような感じがしないでもないのが多い。いつだってそうだ。六十年代の所謂団塊の世代のことを当時は、やはりわかったように年上の有識者が散々書いた。フォークブームが起きて、その頃は大人になんかなりたくない。てのが多かった。団塊の世代というのは堺屋太一が作った言葉だが、今60前後のその人達は皆さんこの呼ばれ方を嫌う。そりゃそうだ団地の塊みたいな感じがするし実際、人口が増えて団地が急激に増えた。
私等は、団塊世代より10年後で学生運動赤軍派も小学生のはじめ頃の話だったから、そんなニュースがあったなぁ。位にしか覚えていない。高度経済成長期のど真ん中に学生時代を送り不景気と就職難が来た。歴史は繰り返されるてヤツだね。
私等昭和30年代は、団塊の世代とロスジェネ世代のスキマみたいな感じだが、パッと目立たない脇にやられた世代みたいな仲間的に仲のよさはあるみたいだなぁ。
等と思ったりするのは、今日は同い年のMさんと元町にある書店の中で待ち合わせ暑気払いにビールを飲みに行った時、店長に一冊づつ『昭和三十年代の匂い』を気がつけばもたされていたというオチになる。みんな、同い年のタイトルぴったりの年だからて訳だが、こんな強引な本の売られ方をされたのは初めてや。同年代は押しも強くなる。店長から思わず黒猫堂の話が出たのは、びっくりした。亡くなってから何度も話に出る人はいるんだな。酒飲みにしかない仲良くなり方があるんだね。本はなつかしい話が沢山出てきて面白かった。いつもながらうまいな。帯の写真のテレビを前にした兄弟の記念写真の武志少年の髪型とややシャイな目つきがなんとも言えません。私の実家にも同じような写真があるんだな。