夏布団

やっとと言う感じで四月が終わり、五月になる。四月って新しい月なせいか落ち着かなくてざわざわと、なんつうか行儀の悪い小使いに走りまわされているような月な気がする。それにしても夏のような日で、どうも眠くて仕方がなく困る。
毛布は流石に暑いので、夏布団にしようと押入を見たらどこへ行ったのか見当たらない。誰かが使ったのかな、でも毛布は干してなおすから無いと今夜寝る布団がないからと前の市場があったショッピングビルへ自転車で行った。丁度、桃色の花模様の夏布団を出したばっかりで、一枚買い自転車の荷台に積んで走る。ただ、それだけのことで、新しい布団がふかふかで肌さわりが良く大変気持が良い。頭の中がとろけるように眠くなる。困ったなぁ布団一枚で,
こんなに幸せな気分になれるんなら毎年、夏布団を買っても良いな。と思う。
眠いけど、ずっと寝てるワケにも行かないし、昨日買った『いまなぜ青山二郎なのか』白洲正子を読んだ。青山二郎はよく何の仕事が本業なのかわからない人だと思ってたが、本当にそうらしい。陶器の目利だとよく言われている。写真で本人を初めて見て、ちょっと余りに悪相で意外だった。昔の絵の邪鬼みたいな顔だと思う。アクの強そうな人だ。この本ができるのには新潮の女性編集者の執念の原稿取りがあった話が冒頭にある。
月が変わって、やっと仕事が見つかった。前ほど毎日でなく、この年で新しい仕事捜しは大変なのだと、つくづく思ったな。はぁ。