富士正晴

nae586252007-09-02

やっと九月になって、これから秋らしくなるのかしらと期待してたら日曜はまた真夏日。あついだす。それでも昨日から今日は、と思うものもあり出かけた。
坪内さんが「週刊文春」で書いていた、富士正晴『贋・久坂葉子伝』(講談社文芸文庫)を手にとる。ほんとに、この文芸文庫は高いけど買わずにおれないのが多いのね。解説の山田稔がまた読ませる。久坂葉子と富士は今ならどうしたって恋愛関係だったと思える。少し前に文芸文庫で『幾度目かの最期』久坂葉子が出て、これも買った。川崎造船神戸新聞創始者を親族にもつ今なら、わがままな文学好きなお嬢さんだろうけど。時代は戦前戦中だから、今とは違う。『贋・久坂葉子伝』は遺族が遺作を出版することを拒否したので、富士がタダ原稿を1000枚書いた(このあたり受け売りです)しかし、この作品は富士正晴の代表作になっている。事実がどうだったのか、二人にしかわからないのだろうけど、どうしたって「愛」ですよね。
富士正晴のことは、他に詳しい方が沢山おられるので、いい加減なことは軽く言えません。今日は、古本で『富士正晴』ちくま全集文庫を350円で買えた。暑い中、出てよかったなぁ。そこでも古本話をあれこれしゃべる。ほんとに、これしかおまへんのかと思う。昨日、送った本マガの原稿は書き直しのあと資料が見つかって又、追加と書き直しをしたが、自分でははじめてうん、これだ。と思えるものがあった。こうやって書くもの的な手応えをしっかり持った初めての感じがあった。送ってしまってから、そんな気持を誰にもいえないのに情けないものがあったり、お祝いにビールをパァッと飲みたい気分がしたができず、結局ひとりでどうしようもない思いだけが残るのだ。2年半続けてやっとこれこれ。と思うのが書けたって、その時は誰も知らない。なんだか孤独だよな。
追加
朝日新聞読書欄の話題の本棚がすごい。『古本屋を怒らせる方法』林哲夫『古本暮らし』荻原魚雷『古本通』樽見博『気まぐれ古書店気候』岡崎武志の4冊が書影入りで出ております。朝日はやっぱり他と少し違うよな。ウチはずっと朝日だもんな。それと4冊とも全部知ってるし読んでます。ハイ。皆、素敵な本です、是非読んでみてください。樽見さん以外はスムースメンバーてのもすごいね。
(今日の一枚 りーち展で林哲夫さんと廣岡社長 )