倉敷へ

nae586252007-05-05

今日は、ひとりで岡山倉敷へ日帰りで旅行に出かけた。連休のささやかなひとり旅。午後から雨と天気予報はうるさいが、ぼやけてるものの晴れた朝、アディダスのバッグを提げて駅へ。昨日、近所のパン屋でお土産用のパンも仕入れたので紙袋も持つ。新大阪駅から新幹線で一時間すこしで岡山に着くが、隣になった20代後半ぐらいの女性から話しかけられて、その方が四国の香川県の田舎が実家だとか(林さんと同郷だ)、さぬきうどんが地元ではお昼ごはんのテイクアウトで(今日は、昼はうどんだが)こちらでは、マックのハンバーガー持ち帰りみたいだとか。『世界の中心で愛を叫ぶ』の舞台になった場所は、石のとれる駅から遠い所でイサムノグチの作品(石の彫刻)を多くある記念館があるのだとか、あっと言う間に岡山に着くまで香川の話を聞いていた。う〜むこれはちと使えるかな(何に?)
岡山から在来線に乗り換えて倉敷まで、どうってことない田園風景が続き倉敷駅に降りると、ああ旅に出たんだなぁ。と思う。観光案内所で地図をもらい歩いて美観地区へ行く途中に「ペニーレイン」喫茶があり、歩き回る前にコーヒーを飲んで「山陽新聞」を広げた。地元の新聞を読むと結構おもしろい。やっと腰をあげて、いざ美観地区に。はじめに蟲文庫さんに電話して行きかたを教えていただく。まだ昼前なのに、すごい人。美観地区はメインのお堀端はわいわい人でごった返しているが、一歩中に入ると静かな昔からの町屋のたたずまいがある、良いところ。本町という町屋が続いた通りを歩くけど、なかなか見あたらない。ほんとにあってんのかなぁと思い始めた頃、蟲文庫の看板があり丁度、田中美穂さんが出てこられ、こんにちは〜。白い麻の、のれんを分けて中に入りなんだか誰かの家におじゃました気分になる、とても落ち着いた店だ。田中さんがお茶を淹れて出してくれ、畳の部屋へ上がりこみお茶とお菓子をいただく。裏の庭には亀がもそもそし、人の顔みたいなミルさん(猫)が「誰かきたんか」と覗きに音もなく出てきたり、ほんまに友達の茶の間みたいだね。苔の観察の大きな顕微鏡があったり、苔袋というおもしろい手製の苔あれこれの袋あり、貝や石も飾ってある。勿論、本も壁にぐるっと棚にある。思った以上に本は多くよかった。
茶の間風畳でお茶を飲んで一時間以上、田中さんとお話をしたけど神戸でお会いした時は、あわただしくてゆっくりこんな風にお話できなかった。長い髪の毛を時おりさわって結んだりひろげたりしながら古本の話は幾らしても楽しい。
今年は苔の本を出版される予定で、どんな本になりそうかとかもお聞きする。
お客さんが、たくさん来られて本を見て買っていかれる。さて、そろそろ私も本を買おう。
続き 蟲文庫では文庫本を二冊買った。それに前から欲しかった「ウィスキーボイス」(サントリー)と「蟲通信」を二部もらった。店内に、銅板画の虫のような小さな絵がかけてあって、それが気になって田中さんに聞くと親しい画家の方の初期の絵だとか。ミニコミや地元紙も並べられ、隅々まで手が掛けられた丁寧な印象がある。ここ数年、こうした新しい古書店に来ることが多いけど、どこもそんな手作りの感じがする店だな。町屋の雰囲気もよく似合っている。
二時間も居ただろか、蟲文庫を出てまた人でごった返す通りに出てとにかく大原美術館に入り、名画揃いの館内を巡回した。モジリアニの絵に久しぶりに会う。
ここは二度目だ。全部見終わると、ぐったり疲れてきて別館の前まで庭を歩くだけで座りたくなり中には入らず庭のベンチで休憩。午後3時を過ぎお腹も減ったので来る時に目あてにしてた店は休憩中だった。他も軒並み同じように昼休み中でありゃ、困った。なんとか、みそカツの店だけ開いてて食べるけどこれがいけなかった。しかし空腹は満たされて少し休んだので、岡山にかけてゆっくり歩いて買い物をする。ひとつ買うと、なんだか火がついて、へそくり用の財布を持って来てるのもありいろいろ買った。備前焼きのぐいのみ、ままかり、芋しょうちゅう、マスカット味の吉備団子に瀬戸の焼き塩。家族の土産が半分以上で見て歩くが、荷物は重いし岡山で降りるものの疲れて足は重くあきらめてホテルでアイスコーヒーを飲んで終わりとする。
帰りの新幹線は、指定がとれずおまけに帰省のUターンで満席でこれも久しぶりに立った。東京でなくて良かったよ。大阪まで乗らず、新神戸で降りて地下鉄で三宮につくと、こう疲れをいやす泡の出る飲み物が飲みたくなる。ガード下の見つけた串カツ屋で生中と串カツでひとりお疲れ様。ああビールがうまい。
家に帰る道を駅から歩いているとポツと雨がふりはじめる。たまには、こんな旅はやっぱり必要だなぁと、しみじみ思った。
蟲文庫の田中さん、どうもありがとう。また、ふらっと行きたくなりました。