昔話の火

nae586252007-04-22

日曜なのに雨が降ったり止んだり、やっとコタツ布団をあげたので干そうとしたらパラッと雨。雨の日曜は「ブ」の日と車で西宮へ行く。今日は時間があったので本を整理してどうにもならない本を、イカリスーパーの紙袋に詰めて持って行った。この袋は関西の古本通には大変重宝されている。大きいしとても丈夫で本を一杯に入れても破れないのだ。イカリへ買い物しなくても古本屋は皆、持っている。しかし重さに強すぎるせいか、10㎏以上ある本を片手で持ちあげる時にまた腰を痛める。なにやってんだか・・・
雨の中、「ブ」に入り本を出してうろうろ。最近、目ぼしい本が少ないなぁ。家人がぶ厚い歴史物の本を三冊持ってきてどれも105円。定価3200円の愛蔵版の本で、なんだか哀しいね。私は『うらおもて人生録』色川武大を105円でダブり本だが買っておく。本棚の整理もしたので腰に悪い。一日、痛い痛いと言っていた。
上甲子園のバーミヤンで家族で昼食し外を眺めながら娘が文芸部の部長になり新聞を作っている話を聞いた。昔は版下様の原寸大の紙に原稿を切り貼りして作ったが今は、パソコンで作るらしく娘は毎日パソコンでマンガ描いたりいろいろしている(らしい)ので得意だとか。文芸部長で、新聞作りってイヤだねぇほんま。誰に似たんだよ(お前だよ)今度は冊子を作るらしい、ええなぁ学生は楽しそうで。大人なっても続けてるアホな人も身近におるんでっせ。
夜に『植草甚一自伝』(晶文社)を読了した。自伝と言ってもね、子どもの頃の話が飛びまくり思いつきのようにまたひっついたり、ほんまにJおじさん自由気まま。サバチエの「スウェーデンのマッチ」に、すると聞き手があつまってきて彼を取り巻き、木の切れっ端を集めて火をおこす。昔話の火というやつは暖かくていいものだ。この一章がとても印象に残ったな。
私は植草甚一の本を読みだしたのは、4年前ほどからで当時生きておられた頃のことは知らないけれど、この好きなことしかしたくない散歩好きな甚一さんが明治生まれの江戸っ子なのに今でもびっくりする。こんな明治生まれがいるんだよなぁ。それに甚ちゃんと呼ばれてた頃の日本橋の木綿問屋の家の昔話を読むのが、私はとても好きだ。
(今日の一枚 近所を散歩中の黒ネコ カメラを向けてもじっと見ている)