小さな橋を渡って

nae586252007-04-19

このところしんどい事も多く、まる一日休みにした。予定のない休日、たって結局行くとこは同じなんだけど。
快晴の朝、昨日まで雨で寒かったのでうれしい。お昼前までのんびりしておもむろにカメラを持って気楽に出て行った。なんだか海を見たくなる日。遠出するほど元気がないので、元町から歩いて中突堤へ歩くと赤いポートタワーが見えてくる。ここは古い港で以前は海外へ出る外国客船も泊まっていた。カメラでタワーや海を撮りながら、潮の匂いのする空気を吸い込んだ。ごたごたした気持の時はこうするのが一番すかっとするね。見れば、同じように海を見に散歩している人が沢山いた。
港の食堂でお昼を食べる。ここの待合室で神戸で下働きしていた車谷長吉さんが仕事を終えてから本を夜遅くまで読んでいた話を数年前に本人からお聞きしたことがあった。世捨てのような生き方をしていても古本ばかり給料の殆どを買って読んでいた。その話で高架下の皓露書林の話もしていて前に訪ねて行ったら閉まっていたので、亡くなったのかと思った。と言われ、その数日後に偶然、皓露書林の店主とお会いした。幸田文の本をよく買っていたとか、店主は車谷さんのことを覚えておられた。初版本ばかり置いていたと思う昔ながらの古書店だった。
もう偶然、本屋でお会いすることもないのだな。
港から帰り、カフェ・アズマで或るブツを貰い、今度の池澤夏樹氏の朗読とサイン会のことを聞かれる。うーん、えらんだ堂のある書店長の頼みもあってサイン会はいく予定。しかし、私は池澤夏樹の名前は知ってても本は一冊しか読んだことがない、しかもタイトルも忘れて本も見当たらず。これはちと失礼だよなと古本を見に行くと『イラクの小さな橋を渡って』が300円であり、『怪しい来客簿』色川武大100円と買う。他に狭い階段を上り某所にも行き『植草甚一自伝』を買った。なんのかの言ってもやっぱり古本ばかり行くんだよなぁ。
そこで少し市の話を聞いて、カスカードでパンを買って帰る。連休の予定を立て始めて、後半に倉敷に行こうと思う。そうこうしているとウツな気分も知らぬ間に晴れてきた。