最後の本屋めぐり

nae586252006-12-29

朝から、寒いなぁと思いながら外に出ると、はらはらと小雪が降っている。初雪だ。冬らしい、きーんとした寒さが気持良いね。今年は暑すぎる。
明日から30日、31日大晦日と家事に追われてひとりで外歩きできないので今日は行くぞと、久々に気合入れて朝のうちから電車に乗って出て行った。年末の野暮用を先に済ませるため元町駅前を降りて銀行へ。まだ給与と賞与を貰ったばかりでお金がある内に支払いをカードを使い振込する。今は銀行はもうかってるらしいのに、どこもATMだけにして窓口がなく用紙でだけ振込したりする時とても困る。人件費削減して肝心な時にまるで間に合わない銀行が多いし、手数料がやたら高い。両替ひとつできないしね。もうかってるなら、人ひとりは機械だけにしないで置けよ。
銀行の後、なんだかコーヒー飲みたくなり元町商店街ドトールで立ち飲みみたいなコーヒーを飲んで、とにかく海文堂へ行き平野義昌さんに声をかけてお願いしたまま年越すんじゃないだろかとサイン入り『本屋の眼』を、なんとか年内に受けとる。なんだか平野さん、お疲れで頭がうすうなったんじゃないかなぁ。特製しおりも付けてもらう。ここで丁度入ったばかりの「彷書月刊」新年号が特集みんなでふるほんまんが。これがぱらっ見た途端おもしろい。ええなぁ、これは楽しい。新年から気合入ってまっせ!て感じだね。店長に今年最後のあいさつしようと思ったけど、さっきまでカウンターに居たのに見当たらず、奥でさみしく鼻かんでおられ邪魔みたいなのでまぁいいか。と出て、今日は今年最後だかんね。といつもアズマでだらだらコーヒー飲んで終わるのを、反対へ三宮へ歩きジュンク堂へ。ここで「波」をゲット。来年用の原稿を書いたので、推理小説のことを出したのもあり横溝正史の小説を捜し少しチェックする。『犬神家の一族』を今上映中なので文庫が新しくなり面出しである。横溝正史は神戸の東川崎町で生まれ家業は薬屋だったのを、神戸のミステリファンの人が中心に記念誌を作ってたり生誕碑も作っている。私は殆ど読んだことないんだけど、神戸生まれと言っても、私には生まれたところだけで大騒ぎしなくても良いんじゃないかなぁ。と言う気もあった。でもファンの人にとったら何か残したくなるらしい。村上春樹も何十年かしてあの世に行かれた後、勝手に記念碑を芦屋公園あたりに建てられるかもしんない。本人は生きてる間は、死んだって嫌なことも死んだ後はそれこそ死人に口なしな野暮なこともするのだ。横溝生誕碑は、野暮な銅像ではなく鉄の知恵の輪のような斬新なデザインで見た時は、う〜んこれなら喜ぶかな。と思わされるモノだった。よく田舎の町おこしに使われる銅像、ひどいのが多いと思う。それに石川啄木や生きてる間はやっかい者でしかなく馬鹿にしきっていた故郷に亡くなってから有名になって銅像建てて、一体どの面さげて恥もなくできるよな。と思うのは私だけじゃないよなぁ。宮澤賢治だって、そんなの数えだしたらきりがない。
なんて銅像の話ではなく、やっとひとりで本屋さんめぐりをした事だった。年末はそれこそ余裕がなく、この日はなんだかとても久しぶりな感じに楽しかった。鞄が本で一杯にふくらみ、その重みを腕に感じながらまた本屋にちょいちょい入り本の海を泳ぐようにすいすいと見て回るのは、やはりとてもたのしい。最後に「ブ」に入り、文庫を見て『忌野旅日記』忌野清志郎を105円で買って〆。これを「潮」でコーヒー飲みながら一冊ずつ出して読む時間が、またたのしー。他人が見たら、おばさんが年の瀬に本ずらずら出してにんまり読んで、ヒマやねぇ。てなしか見えないんだろうけどね。本屋めぐりしないと今年も終わらないのよ。