錦小路

nae586252006-12-08

去年は、ぎりぎりの休みに行く予定で、その日が大雪という天気で電車は止まり、京都へ行けなかった事が会ったので、今年は早めに行った。平日の休みが月二回しかないから、おのずと行ける日が決まってしまう。雪じゃないが、朝からどんより雨の一日で、それでも今日は行くぞと意を固くしていつもの割引チケットを京都まで買い、芦屋から新快速に乗り換えると、一時間掛からずに着く。早いなぁ。
京都は、降りると少し寒い。来れば、なんだかなつかしい。神戸の仲の良い女性に頼まれてたので、錦市場へ入りうろうろと見ながら生麩の店で、さしみ生麩を三本も買った。これを冷凍しておきお正月のすき焼きに入れると、すごくおいしい。何年か前にそうして食べた事があり、その話をしたら私も買ってきて。てな訳。お蔭で、ずっと生麩の袋を提げて重かった。雨なので、行楽気分もなく寺町からいつものコースを歩いたが、ここは平日でも人が多い。京都に来ると着物姿の人が多いのもらしい。前は9月に来て、まだまだ夏で暑い日だったから三ヶ月ぶり。こんなに空けたの初めてかな。三条で曲がり、リプトンを過ぎて湯川書房へ師走のあいさつに行くと、話の流れで、湯川さんが装丁した車谷さんの本を見せていただく。東京へ行く前に、話は聞いてたし東京堂書店で売られてるのも知ってたが、現物を手にしたのははじめてだ。
本を見せてもらいながら、湯川さんと少し話してできたばかりの、ほんの手帖36号を渡した。
河原町通を二条へ歩いても雨で荷物が重くなる。三月書房でまだ宍戸さんは出てなく本を見てたら、書誌の本ばかりの棚の隅に私の本が二冊並んであったのが見あたらなく、出てこられて聞くと、それは売れたんやな。と言われ、へー全部売れたんだ。前も二冊とも補充させてもらったのにと、すこしびっくりして言うと、呆れられた。ほんの日記だけ持って来てたので、それだけ納品する。思えば、三月書房で自分の本があるのは夢だった。なんだかまだ夢のつづきみたいな気がするよ。宍戸さんと、三ヶ月ぶりの話をあれこれして本を見て回るけど、やっぱりここの本良いなぁ。こんな本屋どこ探してもない。三月書房があるから、毎月京都に行くと言ってもいいもんね。
最近出た新刊もある本もあるし、ないのもある(そりゃそうだ)同じ人の本でも、全部置かない、選んで置く。その選び方が鋭い。大型書店は取次から自動配本で大量の新刊が来て並べるけど、ここは全く逆。よっぽど自信と目利きがなけりゃできないよ。それが、またビンゴな本だから、はまるよねぇ。ほんと。
師走なので、いつもの三月書房の名の入ったカレンダー(卓上の絵入り)を頂く。それと柿を送ってきたと、二つも貰い、私は『少々自慢、この一冊』EDIが半値になってるのを迷って買った。また来年もよろしくと店を出たら手が痛いほど袋が大きくふくらんで重い。傘もさしてるし、またもや桂月堂のロールケーキを断念してスマートでコーヒーを飲んでやっと休憩した。外は、五時前なのにもう暗い。四条から地下鉄で京都まで行き帰りの電車に乗っていると、ふと深夜の夜行に乗ってどこかひとりであてもなく電車に乗っているような気持になっていた。冬の夜は、さびしくなる時がこうしてふいにある。