芦屋モダニズム周辺

しかし、忙しい日って何故か重なるんだよね。23日の海文堂の古本市の翌日は、芦屋美術博物館で「モダニズム周辺」古書市の初日に行った。平日の金曜で飛び石連休の間だけど、お客さんは10時のオープンから沢山来ている。ここへ来るのに、芦屋川沿いを南に走り旧堤防沿いを行くんだけど、このあたりは中学まで海があり、伊勢町は中学から近くで放課後によく堤防に同級生と集まって遊んだ。まぁ言っても仕方ないけど、海を埋め立てて台無しにするのは人間の愚行だ。村上春樹も小説「1973年のピンボール」で激しく埋め立てられた海だった場所(丁度、美術館の前あたり)で怒っている。私もその気持はすごくわかる。だから『風の歌を聴け』の冒頭で鼠と僕がビールを飲んで海辺で一晩明けてすごすシーンは今でもなつかしい。ああ、ここに海があるなぁ。といつも思う。美術館のある場所は、旧防波堤のすぐ北側で埋め立て地じゃない。不思議なもので、美術館の中から外を見ると、向こうに海があるような気がする。
古本市会場では、やはり昨日とは違う古本が並べられていてなかなか圧巻。こちらは古書店だけの出店だからプロの市てとこかな。芦屋でするからと、店主さん等が普段見たことないネクタイにスーツ姿でやや緊張しながら立っている。さんちかとかじゃ階段下で普段着で座って、「ほんまに見るばっかりで買わんなぁ」とかしゃべってるのにね。街の草さんに、「ほんの日記」が全部売れたので持って来てくださいね。と言われていて、とりあえず先にあいさつして渡すと、前の「本屋さんで散歩」も全部売れて、それもだったとか。へーなんで一気に全部売れたんだろう。等と思ったけどありがたいことです。散歩の方は残りわずかになった。ほぼ完売に近い。納品書を切り、カメラ忘れたなぁ。と言うと逆に加納さんに写真を撮られる。会場は次第に人で動きにくいほど多くなり、中尾さんとばったり会い、『神戸の古本力』で名前をだして頂いてたのでお礼を言ったら、いやまぁといつものシャイな顔をされた。中尾さんとは古本市に行くと、今年はずっと会う。行く時は初日の午前中なので会うんだろうね。本を抱えきれないほど買われていた。美術館でするだけあり、美術書が多く良いのが多い気がした。山崎書店さんがロードス書房さんと話していると出て来られてあいさつすると、今度のナベツマさんの鍋の展覧会の目録を渡される。気になるけど、年末の忙しい時期だからなぁ。と話すと、忘年会のようなもんです。と山崎さんが笑って言われた。ほんとだね。この日は、すごいお客さんが大量の古本を買うのを目撃したり、芦屋だねぇと思わされる事もあった。隣の図書館も私はカードを持ってるので借りれるけど、最近余り来てない。昼前まで結構いて、百均本を中心に五冊買った。お金があればもっと欲しい本はあったなぁ。外に出て庭続きにある小出楢重のアトリエに入る。さっぱりしたアトリエだね。元々は川西町にあったとか。こんなアトリエで籠もって絵が描けたら良いだろな。偶然、芸大に行ってる娘の担任の先生が小出某という人で、どうも孫らしい。タイトル忘れたが、本を教科書でゼミ全員が買わされたと本を見たことがある。まぁね、小出の子孫で大学の先生だと本も確実にこうして売れるのだ。私も大学で同じように先生の本を買わされたけど、卒業前に全部古本屋(多分、後藤)に売ったもんな。高いだけで、まるで興味が無かったから仕方がない。お蔭で、コーヒー何杯分かになって胃の中に流れたのだ。
モダニズム周辺の初めての古書市は、いろいろと市立美術館内でやるというので、しんどい事もあるのだろけど、ここ何年かのイベントでは多分一番集客したんじゃないかと思う。やはり人が少ないとさびしいし、次回もやるのが難しくなる。古書好きな阪神間の人も多いのだと言ってるようで良かったと思う。
今日は、次女が初めて海外ハワイへ修学旅行で出ていくので、仕事が終わってから午後に車で須磨まで荷物を積んで送って行った。行きは、すいすい行けたが帰りは、ひどい停滞で土曜の夜に思わぬドライブを家人と二人ボソボソとしゃべる破目になってしまった。