さりげなく雨

nae586252006-05-11

二日ほど、しとしとと梅雨じめりの雨が降る。晴れるとカーッと暑いので雨でも涼しい方が助かるな。暑い夏は、嫌いでも必ずやって来るのだ。
今週はずっと本もロクに見にいけなかった。月曜から水曜までだから三日だけだが、気分的には10日ぐらい籠もっていた気持。野暮用多く、忙しいこともあったし子どもが学校から早退二回してきたせいもある。五月病みたいな、しんどくて気分が悪く腹具合がよくない等で仕方がないから、今日仕事場へ診察に来させた。で、こんな時はいつも忙しいのよね。
雨がやっと止み、ほぼ定時に終り帰ったので子どもに電話してお昼を食べに行く。いつも午前が終わると、へとへとで気分が重いが今日はマシ。今日は、出かけようと休んでから今週はじめて電車に乗った。たった三日でも、余程普段であるているのだろうかホームから雨あがりの緑濃い山を眺めていると、初夏のすこしさわやかな気分になってきた。こうして出てしまうと、堰を切ったみたいに毎日ふらふらしだすんだよ、このおばさんは。
今日は、涼しく青のカーディガンを着ていても暑くない。ずっとこんな気候だったらええのにねぇ。元町を歩いて久し振りに本を見た。ちょっと目当ての雑誌があったけど、まだ見当たらず。10日発行の雑誌や新刊を見るけど欲しいのがなく買わず。仕方がないので古本を見に行くと、ミニコミを置いていて図々しく5枚もかってに貰い読んでたが結局、長い時間居たなぁ。なのに、ここでも一冊も買わずに帰る。こんな日もあるのだ。
まぁ今更、本買わなくても家に積みあがった未読本はうんざりするほどあるけど、なにも買えないとやっぱりなんかさびしいのよ。前に「ブ」で見つけた『暗夜行路』は思ったより読み易かったが、もうほぼ読み終わり。この季節になると何故か『風の歌を聴け』を読みなおしている。バッグに薄いので入れやすいのもあるけど、夏の初めにジェイズバーでビールを飲みたくなる。この本が出てすぐの頃、プレイガイドジャーナルにジャズ喫茶の経営者だった村上春樹をインタビューしたのがあった。ビンのバトワイザーを置いて緊張した顔の春樹サンが写ってる。たまたま中学の先輩で小説の場所が余りにも良く知ってるところだったりしたのもあるけれど、それ以来かなりよく読んできた。でも或る時期から読まなくなった。最近は『海辺のカフカ』だけ読んだけど、それでも初期の頃の小説の方が私は好きだ。
僕と同じ年代の時に、ジェイズバーのモデルとなったらしい元町近くのジャズバーへ常連だと話していた芦屋の喫茶店のSさんにお願いして連れて行ってもらった。OLしていた頃で、日曜の昼に香櫨園の駅(なんでここだろね)でSさんと待ち合わせをして、大谷美術館で誰かの絵の展覧会を見て前の喫茶店でコーヒー飲んだ。今思っても、どうしてこんな場所にしたのかな、と思うけど早い話が初デートみたいなのだった。今じゃ考えられないが、私はブランドのミニのワンピース着て髪の毛を伸ばしてたのだ。23頃だから、そんなカッコもしてたんだね。多分、化粧もしてたんだろな。Sさんは、かなりモテる人だったらしいけど、そんなこと知らないし、それよか村上春樹が神戸で常連だったジャズ喫茶に行ってみたいてのが口実でなく本心だったから。
まぁSさんは神戸の男性らしく至ってスマートに案内してくれて、大谷美術館を出て阪神電車で元町へ行き、Bて名の有名らしい洋食屋でお肉料理を食べてワインを飲んでから、ジャズバー店へ入り、今度はビールとカクテルを飲んでマスターと話しながらジャズのレコードなど見たり聞いたりしてる間に最後まで居てSさんマスター私の三人になって看板をしまい店を閉めてからマスターの車で私の家まで送っていただいたのだった。ああ、しんど。
しかし、そんな仮の姿がいつまでもできるハズもなく、元町の会社に勤めていたので初めの一度だけ連れて行ってもらっただけで次回からは、ひとりで地下のアジトみたいな店へ入ったけど。この店は、変に落ち着いて友達も沢山できたし遅めにきた青春ぽい期間で週に3回ぐらい行ってたな。暑い夏に、クーラーの利いた店でマスターがひとりでカウンターにいるところへドアを押して入っていくと、マイルス・ディビスがクールに流れてたりする。
今は、別の場所に移転して地下の店はもうないけど。初めに連れて行ってくれた神戸ボーイのSさんは、芦屋の喫茶店をやめて独立して自分の店を持ったけど、いろいろとあったらしく、何年か前に某うどん店で仕事してるところにバッタリ会った。今度は、どこでバッタリ会うんだろ。こちらもびっくりしたけど、あちらもおばさんなって。とびっくりしてたりねぇ。