古本をめぐるボーケン

nae586252006-04-02

日記って、毎日つけるものだけど、三日も続けて書いたの初めてかな。だって今日は、なんだかすごく嬉しいニュースがあったから、胸の内にしまっておくのが勿体ないもの。だから、なにが?って。いえね、今日は「彷書月刊」4月号をやっと入手したのです。それが、うれしいことかって、そりゃあ勿論それも嬉しいけど違うのよ。
表紙を開くと、トビラの裏の広告が目に入り、それが「稲垣書店がやってきた!」だったのよ。古書ほうろうである特別企画フェアなんだが、これは私には特別うれしい。話せば長いが、ま字数制限ないから気が楽だ。稲垣書店とは映画専門の古書店三河島という東京の下町にあるんだが、店主は中山信如さんで、私はまだ今ほど古本好きでなかった頃、たまたま『古本屋おやじ』(ちくま文庫)を、西宮のブックオフで買って読んだら、これがとにかく面白くて、古本物の本っておもしろいや。と思った最初の本だった(多分)。で、その解説を出久根達郎さんが書かれていて、『古本屋おやじ』でも古本屋で一番尊敬していて文を書ける人。とあったので、捜して読んでみたくなり、また高速長田ブックオフで見つけて読んだ(余り新刊でなかったのよね)、それが『佃島ふたり書房』(講談社)で、とにかくなんだか古本の小説で、完璧にはまってしまった。まぁ新刊から古書にだんだん移りだしてた頃だったから、タイミングも良かったんだろけど、一気読みしてからも何度も読み返したり。中で何度も出てくる振り市のシーンが面白そうで行きたくなったり、その時は古本屋になりたい。とか思ったり。
それから古本の本や雑誌を、集めだしてずるずるとあちこちの古書街を熱病みたいに歩いたり、アホみたいに古本買いがはじまった元凶とも言える本だよなぁ。そりゃあ私がその方面が好きなのは間違いないけど、「火をつけた」きっかけですね。まぁ古本ベスト3の一番が『佃島ふたり書房』なわけで、二番が『古本屋おやじ』かなぁ。じゃあ三番は?う〜ん、このへんは何冊もありそうだけどね。『彷書月刊編集長』田村冶芳(晶文社)や『さらば!国分寺書店のオババ』椎名誠(情報センター)とか、『古本めぐりはやめられない』岡崎武志(東京書籍)など決められないもんな。「借家と古本」荻原魚雷スムース文庫)も古本ベストに入るなー。後者は不思議なことに、皆さんお会いしたり少しつながりがあったりする。古本好きな人って、似てるとこがあるしある種すごいマニアックだけど、反面本当に好きな人は、なんとなくわかるものがあって、日頃世間で私など古本話をしたくてもする場所がないモノには、たまにある古本者の集いに行くと、すごく楽しい。まぁ、それも『佃島〜』を読んでなかったら、と思うものはある。「彷書月刊」も毎月読みだしたのも出久根さんが書いていたからなのもあった。前は中山信如さんも連載してた。
なんて思わず古本をめぐる回想になっているが、そんなわけで今日雨の神戸でやっと「彷書月刊」を読めたのですね。それで鞄に入れて、さぁどこで読もうか。と本屋を出て三宮の地下街に雨をさけて入ったら、ここに新しいブックオフができてて中にはじめて入った。(今日は三軒「ブ」が出てきたな)三宮センタープラザの入口の奥でチョー良い場所。ぐるっと見て『東京タワー』江國香織(マガジンハウス)105円を買い。ちょっと読みたかったのだしシールをよく見ると下に750円のが貼ってある。思い切った値下げしますなぁ「ブ」さん。でも濡れた傘をもってうろうろしないように傘立て置いてちょうだいね。
地下街を歩いて「潮」でコーヒーを飲み、本を出してちょい読み。ここは新聞とおしぼりがある純喫茶て店なので、たまに入るが「ニッカン」があって開くといきなり紳介の泣いた顔があった。ああ、相方亡くなったんだな。しかしこんな大写しの泣いた顔見せられると、思わず泣きそうになるよ。
潮で休憩して、またジュンク堂に寄って月初めのブツを見て上で本を捜したり「文学界」を見つけたりしてると、雨がやんでた。