流転の書店員

nae586252005-06-10

しかし蒸し暑くて、仕方がない。梅雨入りも近いが雨が降り出す前のどよんと空気が重く、湿度が高い。いやだねぇ、こんな日。
仕事がはじまると疲れて、足が痛くなる。この頃気候のせいか、仕事場も忙しいのだ。朝、洗濯物をどよっとした雲を見ながら干す。家は地価の高いところでお蔭で、空き地がないし、最近マンションそれも10階建て以上の背の高いのが建ち続けていて、見晴らしはどこみてもマンションの林。その間にこぢんまりした一戸建が隙間に生えているようにあり前は、もっと余裕があってのんびりしていた風景が、びっしり。という感じになっている。ベランダから南向きにグルッと見て、いつもうんざりした気分になる。かろうじて星と月はマンションの上から眺められる。田も畑もどこ探したってないから、やはり都会って言うのかなぁ。
住んでると、とても都会には思えないが風景だけは、いっぱしの都会らしい。
しばらく、間が空いてた、えらんだ堂へ。余り動いてない。店長といつものように立ち話ししてたら、大阪のくるまやさんチェーン書店が全部やめるそうですね。と言われるが、その書店名を知らなかったので、聞くと南大阪よりで結構大きな店を持っているらしい。そこの責任者が前の神戸の老舗書店で店長をしてたFさんです。と面識のある店長は、びっくりしていた。くるまやさん(しかし、なんで本屋の名前がこれなんだろ)は大阪の不動産会社がオーナーで、その不動産自体が傾いてきて急に、書店の方を全部やめるとか。それで、また失業者が増えるのね。でも私、そのFさんを知らない。前店長だったKさんも名前はよく聞くけど、どんな人か知らない。この方はジュンク堂へ行ったとこれも同業関係の人から聞いたし、書店員はやめても又、書店員に戻る確率が高いのかもしんない。ここで、神戸のコーべブックスのあとに入った書店のことやら、店長もコーべ出身で倒産する前に別の書店へ行き店長で何年かしたあと、今の深江で独立して書店を経営してる。私は書店員になったことはないし、業界の裏の細かいことも知らないが、普通に見てても、いつもお客さんは多いし初めて入った時から、ここは良い。とピンときた。良い本屋さんが来たなぁ。と、うれしくなった。まぁ、それは「本屋さん探訪記(1)」で紹介してんだけど。
ここで資料の積もりで『檸檬』を買った。京都の丸善が9月末で閉店するのを知ったのは、ショックだった。好きな本屋だし、老舗の落ち着いた雰囲気が好きだったのに。『檸檬』に丸善が出てくるのは、有名で私は高校の時に読んで、すごいなぁ。と思ったのだけど本は今はなかった。家で読んでみると、17歳の時とは違う読み方をしているのが、ひしひしとある。やっぱり、すごい。ちょっと哀しくなる。読了して、今、何やってんだか。とうろうろしているが、本を読み込む力だけは少しついたかなぁ。と自分で思ったな。ちょっとぐらい進歩してないと、毎月うんざりするほど本に関わっている甲斐がないかもねぇ。