元町をうろうろ

nae586252005-04-14

読む本がないなぁ。と火曜に思っていたらじっとしていられなくなり、ふらふらと電車に乗って知らぬ間に元町へ。モトコーを10日ぶりかで歩くと、いやぁたまりません。すごく新鮮に目に映りますなぁ、一丁目の春風書店、店頭で『武田麟太郎島木健作集』(日本文学全集45 集英社)を100円で。これは、前日に「ちくま5月号」で読んだのに青山光二田宮虎彦の自殺のことについて聞き書き(なのかな)の中で、島木健作が東大前の古本屋で店番している時に本を買いに行き、これがわかるのか云々と嫌味ぽく言われて腹を立てて出て行ったことから、武田麟太郎宅へあまりにも図々しく通い食事をいつもいただいていたことで、怒られたことを、さもありなんと思ったことなど、なんだか近代文学で教えてもらうようなのが現実の今の人が語っているのにタイムスリップした感じになってしまう。で、その全集の解説が田宮虎彦だった。すごいタイミングの良さ。解説でも島崎書院で島木健作が店番している時に会ったことを書いている。しかし嫌味を言われて怒って出ていったことは、全くなく一緒にその時いた青山氏がそれを話している。歴史を感じます。

他にも雑誌を二冊と文庫本を買うと、かなり満足した。うれしい。どうも、この頃新刊書店に行っても買わないことが多いのに古書店ではバカバカ買ってしまう。見てても欲しいのが多いのは、値が安いだけじゃないと思うね。見てても楽しい。ぐるっとモトコーを歩いて、カフェ・アズマでコーヒーを飲んで休憩。さっき買った本を見せると、これ僕も買ったで。と全集の一冊を出す。前に『上林暁木山捷平全集』を100円で買ったと自慢されたもんな。ま、高架下の本はアズマさんが一番詳しいのはそうなんだが。土曜は貸切で映画祭の人が来るとかで喜んでいた。土曜は、私は仕事の日で出てこれないだろうなぁ。と話す。ようやく元町も春らしく賑わいが出てきたみたいで人気もあり、やっぱりその方が暗いガランとした店を見るよりはずっと良いものね。