女たちは二度遊ぶ

朝から雨、三連休は晴天で春らしい陽気の日だった。
吉田修一「女たちは二度遊ぶ」の中に、「泣かない女」短編があり何気
なく読んでなんだか頭をガツンとやられた気分になる。映画の方を先に
観て、あとから小説の本を買い読んだけど、これは未読だった。
パチンコ屋で働く彼女が、客で見かける夫婦を車で小さな子どもを乗せ
たまま駐車場に放置してパチンコ中に子どもが死んでいた。何年か前に
夏なると必ず起きて問題になった事件を元にしてるが、最後に僕が別れ
話をする時に言ったのが、子どもを死なせた母親がまた来たんだよ。と
呟く。え?と問い返すと、母親がまたパチンコしに同じ店に駐車場に車
を多分とめて来たのだと。子どもが死んだ同じパチンコ屋へ。
これを読んだあとに、なんだか考え込む。でもそうなのだと思う。
私が朝、コーヒーを飲みにいく喫茶店はパチンコ屋が多い駅の近くにある
のでパチンコ好きの人がすごく多い。先日、時どきランチを4人で食べる
ひとりのAさんが朝は来ないのに珍しく来て、隣に座ってすっと腕を出し
手首にある輪っかを見せて、入院中で病院でこれつけたまま外泊してると
言う。顔は青白いしすごく前より痩せ、明らかに重い病気らしいのが解る
去年の夏から、胃が痛いと言い何度か病院行きと顔をみて言ったが、
いつもパチンコして行かなかった。休みの日は朝からしてたらしい。年末
に我慢できず救急車を呼んで病院へ運ばれ入院したが、どうも胃ガンらし
かった。仕事も夜中の弁当を作る工場で働いてたのを辞めず、退院して
仕事にいき、なんせヒマがあればパチンコする人だった。
茶店で会った日も今日午後に病院へ戻る前にパチンコする。と言っていた。
顔を見て、いやな感じがした。コーヒーをおごって一緒にパチンコ屋の前まで
行って別れたが、それから会ってない。ランチのお誘いもそれから来ないし
他のパチンコ好きのいつも一緒にランチやお茶をしてるおばさんに聞いても
さぁ知らないと言うだけ。メールもしない。(私はメルアド知らない)
先月からしんどいことがあり、お昼ご飯を食べながら少しでも話して気が楽
になったことが何度かあった。あのおばさん等には、パチンコするだけの
人なのかよ。ギャンブルしすぎの人は、皆どこか狂っているような感じが
する。そんなのを小説読んだあとに思ったんだねー
あの時、おごったコーヒーが最後になるかも知れない