初詣

新年二日、今朝もとても寒い。外を眺めると、屋根やねが雪で白くなっていた。明け方まで
降っていた模様。娘は寝てるが家人は絵具道具を背に、山へもう出かけている。実は元日の
朝も行ってた。その割には、トイレの絵は余り上手くなってない気がするが口には出せない。
なんとかバカて言葉があるが、それに近いようで毎日、絵を描きに出ていく。家族には徘徊
と言われてるフシもあるな。仕事の日も朝はやく行ってたが、冬は流石にやめている。
昼前に、私と娘だけで三宮の生田神社へ初詣に出かけた。天気も晴れて、正月らしい参道に
もなっている賑やかな道を歩いて参拝した。
たい焼きを買って、参道で食べてからぶらぶらと歩く。路上でアンデス音楽の生演奏をして
いるペルー人の男性がいたが、この人よく元町駅前で演奏していた人だ。すごく上手くて、
「コンドルは飛んでいく」が流れている時など、行ったことのないアンデスにいる気分になる
ようだった。そういえば、元町駅前のビッグイシューの赤帽のお兄さんはどうしてるだろう。
普段余り出ていかないので、人の多さにあたるようで疲れてくるなぁ。ブックファーストだけ
入って本を見るけど、なんだここて感じでベストセラーばっかり。売れない本は置かないと
言ってるみたいだ。欲しい本が見事に無い。これからこんなコンビニみたいな書店ばかりに
なるんだろうかね。喫茶店も昔風の純喫茶はなくなり、セルフのカフェだらけになる。
マニュアルで応対しかできない機械相手にしてるような店ばかりになり、客も人間らしさを
失っていくみたい。やれやれ
夜に、去年もらった三田牛肉で、すき焼きをした。寒いのであったまるしおいしかった。
寝る前に、今年初読書の吉行淳之介「日々すれすれ」を読む。去年ブックオフで買った本なり。
この本は昭和61年の晩年に書かれたので病気にとりつかれて苦しみながら書いている。
この年は、結婚した年で長女を身ごもっていたり幾ら年月を覚えられない私でも覚えている。
丁度、世間はバブル景気の頃だったなー
吉行淳之介を好きで一番読んだのが、中学生の14歳ごろだった。今どうして子どもみたいな
年で、ヨシユキ好きだったのか自分でも、よくわからない。読書は好きだったから第三の新人
を片端から読んでたし、頭だけはませてたのか。。
よく覚えてるのが、中学卒業した春休みにクビに脂肪の塊ができて手術するために入院した時
持っていったのが、ヨシユキの本だった。始めて入院して、すごくヒマだったしすぐ本を読んで
しまい読む本がなく困った。同室に女子大生の人がいて、読む本がないと話したら「凱旋門」を
貸してくれ、それも読んでしまった。女子大生のOさんは、今おもえば可愛くて勉強もできて
国立大に通っていた本当の良家のお嬢さんみたいな人だった。よく雑誌に出てくる芦屋のお嬢さん
みたいなんじゃない、本当に育ちの良い感じの人だったな。だから入院中はOさんがいて助かった。
一度、退院してからバッタリ霊園で会った時も気さくに話しかけてくれた。その時でも見合い話が
あって、多分どこかの御曹司みたいな相手らしくそんな話をしていた。当時はまだ見合い結婚も
半分ぐらいあったし、Oさんは申し分ない女性だと思える。入院中も妹に宿題を持ってこさせて、
ベッドに寝たまま勉強を教えていたのを覚えている。もしかしたら今は、官僚の奥さんかも知れないな。
吉行淳之介を乱読してた私とは、どこか完璧に住む世界の違う人だった。生まれながらの育ちの良い
お嬢さんて今は余りいないんだろうなー 知らない人は鼻で笑いそうだが、そんな人もほんとに居る
んだよ。